The Beatles / LOVE VS The Who / ENDLESS WIRE


強引に結びつける悪い癖

The Beatles / LOVE

わかりやすくいえば、ビートルズの諸曲を、様々な音源を組み合わせてリミックスしてコラージュして、なアルバムな訳ですが、それの可否論はさておき、現代の音楽も聴いている私には非常に受け入れやすい、と思う。
音質もクリアーだし、編曲も凝っているし、いろんなモチーフが随所から垣間見えて、退屈しない。
当人たちはあんまかかわってない、のか?どうなんだろう。

もちろん、オリジナルもいいですよ。60年代フェチな私はオリジナルのビートルズもそれはそれでよい。どっちも否定はしません。

今、例えば、ビートルズが全メンバー健在で、新しいアルバム作ったらどうなるんだろう。
きっと、こういった凝ったアルバム作るのではないだろうか?だから、否定はしないですよ。ってか、愉しめます。

The Who / ENDLESS WIRE

フーの24年ぶり(だっけ?)のアルバム。正直、あんま進化してない。(爆)
キース・ムーンもジョン・エントウィッスルも逝去した今、オリジナルメンバーは残る2人、ピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリーのみ、な訳だけども。

先回の"初"日本公演、大阪で見ました。座席が前すぎて(最前列だったのよ)、かえってあまりよく見えなかったのですが、
ロジャーのマイク投げ、ピートの腕ぶん回しと、昔ほどではないんだろうけどもジャンプも見れたわけだし。これはもう伝統芸だ。できなくなるまで続けてください。

脇道にそれましたが、で、今回のアルバム、相も変わらず"ロック・オペラ"を目指しているらしく、非常に難解な、およそ日本では売れるわけなかろう、という所感。でも、随所随所が、あぁフーなんだなぁ。と思えるので、いいんですこれで。
でも、中身見てみると、一応最新(と思われる)機材を随所に使って、レコーディングした旨書いてある。

でも、ザ・フーなんだから、ピートなんだから、ロジャーなんだから、これでいいんです。

(ちなみに、現ザ・フーの後でドラムたたいてるのが、ビートルズのリンゴスターの息子だったりするのが、またおもしろいのですが。)

昔のバンド名義で今出したアルバムが、こんな差があるってのが興味深くて。

昔も今も、モノを作ってるヒトが、選ぶ道は、
• 昔のそれから一気に脱却して、全く新しいものを作るか。
• 昔のそれを引き継ぎつつ、新しい方法や手法を織り込んで新しいモノを作るか。
• 昔のそれを未だ伝統芸能のように延々とやっているか。
• 昔のそれを焼き直すか。
• 昔のそれなんか知ったことか、で、原形を留めず別のモノを作るか。

まぁほかにも選択肢はあろうものでしょうが、大概的にはこのくらいか。いや、大同小異という突っ込みもありましょう、きっと。

きっと、車メーカーも、良識と、自分たちが過去作ってきたモノに自信があれば、自ずとどうなるか。いつまでも旧い四角いクルマばかり作ってたら、伝統芸能になり社会から取り残されてしまう。新しいことに挑むことは不可避。じゃあ、過去を切り離して考えるか、過去を遺産として引き継いでその上にイイモノを作るか・・・

無味乾燥な製品と、作り手の思い入れが垣間見える製品というのの差は、こういったとこから起因してくるのでは?
でも、どっちを選ぶかは、あなた次第。
きっと、無味乾燥な方が、受け入れやすいし癖もなく、万人受けするでしょう。
でも、どうなんだろう?

Disclaimer 私は音楽評論家でもなく、そんな詳しいわけでもないくせに、勝手に語ってるだけですので、上記内容真実に反する点がもしあったとしても、責任追及しないでください。

signale a : 火 - 11月 28, 200608:07 午後        supérieure     


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