réparation de bosselure

凹みを裏から押し出して修復する、デントリペア。

クルマってば、箱に詰めて仕舞っておけるモノでもなく、乗ってって、どこぞに放置を余儀なくされるモノなので・・・

小傷がついたりエクボ喰らったり、します。

小傷は、まぁ、しゃあない。磨いても消えないのは塗らなきゃしょうがないので、予算と気持ちのせめぎ合いで、いわゆる鈑金塗装せねばなるまいな訳ですが・・・

鈑金塗装ってば、クルマが凹んで、その部分を換えるのが大変だったり、換えるまでもない部分を、塗装を剥いで鉄板を叩いて引っ張ってパテで成型して乾かして下地作って乾かして塗って乾かして磨いて、と言う作業で、それ相応工数が多い分、時間とコストが掛かります。
(最近は速乾式のパテとか、塗料とか、あるみたい。そういうの使ってお手軽鈑金塗装って謳ってるのもありますが、大抵そういうの、後からパテが引けてきたり、褪色しやすかったりしますので・・・)

いくら工数を削って安易な材料使って、手を抜いて安くあげようったって、そりゃ最終的にクオリティに跳ね返ってきます故・・・
結果、要求レベルを満たす仕事するためには、それ相応のコストが掛かります。

が、それほどひどくない。
塗膜に傷はない、とか、傷は軽微で、軽く凹んでる。
いわゆる、”エクボ”と呼ばれるもの。

これは、場所と程度によって、比較的安価に直せます。
この手法をデントリペアと呼びます。

Dent Repairってば、簡単に言っちゃえば、凹んだ部分の裏に工具を当てて、じわじわと凹んだ部分を”裏から押し出す”わけです。

簡単そうにみえますが、これが鉄板の特性や塗膜の特性や、如何に適切な場所に力を掛けるかが結構難しい。
(いや自分で見よう見まねで真似してみたことありますが、全然無理ってか、綺麗にはできないもんです。自分でやる分はロハなので試してみるとイイですよ。オススメデス。)

なので、餅は餅屋にお願いするわけで・・・
んでも、餅屋ならどんな餅でも作る訳じゃない。

どこでも出来るわけでもなく・・・裏側に工具等が入らないと出来ないわけだし。
傷があったり再塗装されてたりすると、押し出したら塗膜が割れてきちゃったりするわけだし。塗膜の下にパテとか居るともうなんともならんし。
その辺の判断はプロのヒトってか、やるヒトじゃないとなんともはや。

なので、できるか出来んかは、現車と応相談で、ヒトと相談じゃないってのが、この作業の特徴ですねぇ。

さてさて、For Example。


Lancia Ypsilon
施術前:多分、蹴られちゃったのかな?割と広範囲に凹んでます。が、塗膜に傷はないし・・・鈑金塗装するにはちょっとモッタイナイ。
施術後:言われてもワカラナイくらいに修復完了。

ランチア イプシロンのアヴォリオパガニーニって、ちょっと特殊な塗料で特殊な塗り方してるので、できれば塗りたくないんです。
(純正が半艶消しみたいな仕上がりなので、鈑金塗装するとそこだけ質感が異なって見えちゃうんです。まぁ全体をQuartzコーティングとかすると均質な感じにはなりますが・・・)

なので、塗りたくない!
お金かかるのがヤってのも率直にありますが、それよりも出来映え、そのものがそのものであるがまま居させてやりたいのが本来の目的で・・・

は、さておき・・・

いやこれは極端な例です。こんなデカい凹みで、出来る出来たのはそう滅多にない。
そもそもこれ、最初は無理かと思った。エクボの域ではない。(笑)

で、次っ!

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ドアでドカンとやられちゃったか?なルノーラグナ。
傷は消えませんが、ヘコミは殆どわからなくなった。

さてさて次っ!

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傷もあるが、そもそも凹んでると、目立つ。トゥインゴ2。
傷はなんともならないが、目立たなくはなった。よかったねぇ、それだけでも充分すぎ。

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ちょっとメヅラスィ?なプジョー106の5ドア。推定駐車場のお隣さんが無頓着で、夜なべしてかなんなのか、長期に渡ってでか、無数にエクボを拵えてくださった左リアドア・・・リアゲートにも目立つトコにひとつ。かわいいおしりが・・・(泣)
が、なんということでしょう、匠の技により、ほーら、こんな綺麗にっ!(サザ工さん風に読む)

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今をときめくルノートゥインゴも、旧いので積年の過客はあるわけで、この際だからいってしまえ!ボロいママ乗るのは好むところではないのでね。


ルノートゥインゴ2、車が綺麗なのに、目立つトコにエクボがあっちゃ、アバタがあるみたいでアチャチャなのでねぇ・・・

というのが、デントリペアです。

が、これらは、様々な要件を満たした上でできることであって・・・

  • 裏に工具が入らないトコ。
  • 裏が二重構造になっているトコ。
  • 角や縁の部分。

は、為す術ありません。
が、逆に言えば裏に工具が入る場所であれば、結果の如何はさておき、何とかなる場合もある。
とはいえ、なにせ押し出す技法なので、完璧にならない場合もある。

で、

  • 再塗装されてたり、パテ等が入ってる部分。

も、裏から押したら剥がれたり割れたりで、かえってエライコトになりかねないので、できないってか、やるべきでない場合もあります。

が、総じて、できれば、鈑金塗装するよりは安価に上がる場合が多い。

凹みの大きさ、位置にも依りますが、数千円から数万円くらい。
真っ当に叩いて塗るとなったら軽く数万円は絶対要りますので、その差は大きい。

で、目立たなくなるなら、いいんじゃないでしょうか?
もちろん、塗るわけではないので、傷がなくなるわけではないです。念のため。

出来る条件が揃えば、このくらいのが直っちゃったりするからすっげぃ技術ですよ。
鈑金塗装するよりは安い。塗らないから色も違わない。
コスト的には、そりゃ塗るよか工数が少ないので安いってば安いのですが、何せ特殊な技術なので、めちゃくちゃ安いってコトもないんですが、私的には安いと思うんですが、なにせ価格って10円でも金払うのは高いと思えば高いので・・・
(けど、決して只の隣に安い訳じゃない。技術にはそれ相応の対価を払ってあげないとね、その技術が潰えちゃったら自分たちがあとになって困るもんだい。)

あ、画像はこれのみですが、実はFerrariとかもやって貰ったことありますよ。おっかなくて回送するのでイッパイイッパイで写真撮りそびれましたが・・・

さてさて、悩んじゃってる方は、是非ご検討下さい。

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