【EVENT REPORT】French Blue Meeting 2016

2016年10月29日(土)、30日(日)の両日、長野県・車山高原にて「French Blue Meeting 2016」が開催された。30回目を数える同イベントは、昨年に続いて(日曜日は)曇り時々晴れというまずまずの天気。30周年からか、心なしか出展されている店の数も、参加者の数も多かったような気がする(気のせいかもしれないけど)。

では、今回も恒例の「参加車両を肴にあーだこーだ言う偏りまくりな回」をお届けしよう。

01%e3%82%b7%e3%83%a0%e3%82%ab_713Morita(以下、M):ちょっと寒いですが、何とか天気、持ちましたねぇ。

Suzuki(以下、S):そうねぇ。

M:30周年ということで。いつもはいちばん最後に埋めるP10から参加車両を誘導する作戦らしく(いや、スタッフの手違いか?)。30周年で参加者増をにらんだからでしょうか。ま、だから何でP10から埋めるのか、その理由にはなってないですけどね。え? そんなことはどうでもいい? じゃあ、行きますか。シムカです。

S:毎年、ちょこちょこいるけど、3台並んでいるのは珍しいかも。しかも奥の1台はアバルト。

M:ラリー1、2は丸目でかわいらしいですよね。3になるとヘッドライトも四角になって硬派なイメージですが。

 

M:ルノー8(ユイット)です。

S:ゴルディーニじゃない8。かえってレアかもね。8に限らず「ゴルディーニ」って付いてるとたいてい大切にされて生き残るんだけど、普通のモデルって生き残らないんだよね。そこまでの価値を認められてないのかなぁ。

M:すずきさん、8乗ってたんですよね?

S:うん。でもそういう風潮とは無縁なので……。文化財は動態保存しなきゃね。

 

S:これ、標板の位置、気にならない? ディーラー車はすべてこうなってると思う。

M:え? どういうことです?

S:ほら、ビミョウにさ、左に寄ってない?

M:ああ! ナンバー灯のセンターに合ってないんですね。

S:そうそう。元から付いてる穴に従ってベースを付けるとこうなっちゃう。並行車だとそれを請け負ったクルマ屋さんのセンス次第になるんだけど。

M:言われて初めて気がついた。気付いちゃうと気になってしまいますね。

S: ちなみに弊店の社用車カングー、EuroDealer’s Plateはボディパネルの既存の穴に準じて、日本の標板枠はナンバー灯に合わせたので、これはこれでちぐはぐだったり……。まぁいいやで諦めた(笑)。標板なんかお役所が付けろってってるから付けてるに過ぎないので、位置さえおかしくなきゃ何が書いてあったっていいのよ。制服みたいなもんだ。

 

M:これ、どういう意味なんですか? 90に×って。

S:ああ、これ、フランスの初心者マーク。90km/h以上出しませんって意味で。なので、それに×ってことは、初心者じゃないよってこと。

M:へぇ。フランスの初心者マークは○にAのやつかと思ってました。

S:その「 A」ってのは「Amateur(アマチュア)」って意味。2人の人と片方がハンドル持ってて「Conduite Accompagnee」ってのが「同伴運転中」。だったような淡い記憶。どれがどういうシチュエーションで使われるかは、よく知らない。「Conduite Accompagnee」のステッカー、一時つくったけど、誰もワカランので、完売をもって終了にしちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

M:5アルピーヌターボです。ちらっと回っただけでも3台いましたね。

S: 世間的にはNAのサンクアルピーヌが珍重されるが、今となってはドンガラ(ボディ)や内装がボロいと、 A110のスペアエンジンとしてエンジンだけ取られて、棄てられちゃう。それで荼毘に付されたサンクアルピーヌは数知れず……。

M:そ、それはむごい……。

S:似たような例は16とかもそうだねぇ……。ロータス屋さんにエンジンだけ取られちゃう。でも、真っ当なの乗ると、かなり楽しい。いい車ですよ。サンクアルピーヌターボは、ちょっと奇妙なレイアウトのターボ車で、 NAのアルピーヌのキビキビ感とまた違う、ロングツアラー的な感触があって、結構好きなんだけども。高速ドカーンと走るなら、アルピンターボ。峠道ならアルピン。どっちも、そのまま、本来の姿で、生き残ってて欲しいなぁ。

 

M:C5の前期ですが、何か貼ってありますね。(近寄って)ああ「air bamp」って書いてありますよ。カクタスのパロディーですかね。

S:なるほど。これでいいじゃん!

M:こんなデカいエアキャップ、売ってるんですね。

S:この形を見てピンと来ちゃったんじゃないの?

M:そうかも。思いついたらやらずにはいられない……。

 

M:これまたきれいな横サンクですね。

S:GTLかな。

M:何かほほえましい。

S:このバンパー下のストライプがいいよね。後ろのバンパーにも同様に入ってる。これが好き。これのほうがサンクらしい。

M:(後ろに回る)あ、ほんとだ。

S:フロントもあえてフォグなしでツルンとしてる。よく考えりゃ、大学生のときに(僕も)これ乗ってたのが、いまも走ってるわけだからすごいよね。 僕が乗ってたシュペールサンクはGLっていう素のグレードだったんだけども、それが仏車乗りとしての原点で、もう25年も前の話になるんだなぁ。その間にさまざまな艱難辛苦もあっただろうに。それを乗り越えて生き残ってる。価値を認めてくれる方の許で、生き残ってて欲しいなぁ。

 

 

 

M:うわー、エスパス1だ。初めて見ました。

S:フェイズ2かな。これ、ちゃんと維持していくのは大変だと思うよ。ボディがFRPだからね。古くなるとガサガサになっちゃって、全塗装しても後から剥がれてきたりしてね。大変なのよ。

M:そうなんですね。いやー、それにしてもすごいデザインだなぁ。フェイズ1は逆スラントのフロントマスクだけど、フェイズ2でこの顔になりましたよね。

S:何というか、デザインが『2001年宇宙の旅』だよね。BX もそんな匂いするけど。

M:分かる気がする(笑)。

 

S:『2001年宇宙の旅』と言えば、これもそうかも。

M:ああ、XM! これだけ並ぶと壮観ですね。

S:そうだねぇ。

M:この低くてフラットなボンネットがたまりません。

S:これも維持していくのが大変だけど、皆さん頑張ってるなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

S:クリオ3RSの限定車「Ange & Demon」。欧州限定666台。

M:ああ、だからナンバーも666。マットな塗装が渋いですね。

S:このマット塗装は赤、黒、グレイの3つあって、ホイールがメガーヌR26.Rと同じ18インチが装着される。他にも何かあったと思うけど。

M:天使と悪魔なんて、オシャレですねー。

S:イギリスでは宗教観の違いからか「Raider」という名前になってるらしい。

M:クリオ3RSっていろんな限定車がありますよね。

S:前に紹介した「レッドブルレーシングRB7」とか「ワールドシリーズbyルノー」とか「F1 Team R27」とか。

 

S:そんなことを言ってたら、トゥインゴの限定車だ。GTリミテ。15インチのアルミやチェッカーパターンの専用サイドデカールなどが付く。

M:ふむふむ。

S:トゥインゴって、フランス車を知るための入門車として最適だと思うんだよね。これに乗ってフランス車を知り、気に入ればさらにディープな世界へようこそ、みたいな。

M:同感です。

S:これ乗って、次に21ターボに行っちゃった若者がいたけど(笑)。

M:その飛び具合がステキ!

 

 

 

S:ディープといえば、ルーテシア16Vに乗ってる人もディープな人、多い。

M:僕も大好きなクルマです。

S:16Vってやたらゴールド率が高い。んで、1回乗ると、ずっとそれ乗ってる人も多い。わざわざ全塗装して乗り続けている人もいるくらい。

M:ああ、でもそれ、何となく分かるなぁ。これに代わるクルマがないっていうか。

 

S:全塗装でディープと言えば、こんなクルマも。

M:ワルそう(笑)。

S: Ph.1はほとんどがシルバーで、ごく少数赤とか青とか居るけど、すっごい短期に受注を締め切っちゃったので、かなりレアだと思う。この個体は、元はシルバーで、さまざまな事情により全塗装したんだけども……。詳しくはオーナーさんに訊いてね(笑)。

 

S:縦サンクも頑張ってる。これは初期も初期。ホイールキャップをボルトで留めてる。

M:これもきれいですね。

S:これはフロアシフトだけど、初期モデルはキャトルみたいにダッシュボードからシフトノブが生えてるのもいるらしい(推測)。日本には来てないと思うけど。

M:へー! そんなのもあるんですね。

 

 

S:205ラリー。もう生き残ってないよねぇ。

M:ですねぇ。これ、僕のフランス車原体験なんですよ。

S:そうなんだ?

M:ええ。輸入車雑誌の編集してるときに試乗したことがあって。こんなおもしろいクルマがあるんだ! って感動して、そこから将来はフランス車に乗ろうと思ったんです。

S:へぇー。それにしても あのデカいキャブを御し得るのには、相応の技術がいりますのでね。カッコだけじゃちょっとしんどい車ですねぇ。私が最初に就職したクルマ屋で、リトモ130TCを売ったんだけども、これがどこを
どうやっても気持ちよく乗れない。整備の人に相談してもこんなもんだ、ってコトになってって……。転職した次のクルマ屋に205ラリーがいて、それは普段から通勤で乗ってた。

M:通勤で、ですか。

S:そう。で、この差はなんなんだろう、ってねぇ……。メカの人の知識技術か、乗る人の知識・技術か、そもそもの車の状態か……。すべてつきあわせた結果なんだろうなぁ。

 

S:XTだ!

M:これ、去年も反応してましたね。

S:そうだっけ。「マイ・ベスト・306」だから許して。

M:すずきさんがそう言うからすごく気になってるんですけど。

S:パッケージングといい、乗ったフィーリングといい、僕にとって“ラストプジョー”なんだよね。当時、あるクルマ屋に就職したときに306が出たんだけど、XSiばっかりが売れてた。で、あるときお客さんと商談してて「予算的に厳しいからXTでいいや」ってXTを取ったんだけど、それが良くて。お客さんと2人して「これはいいもの買った! あえて選んでよかった!」と喜び合ったという。ちゃんとしてるのがあれば、激しくオススメします。もちろんXSiもいいんだけどね。

M:へぇ、そんなことが。

S:その後「スタイル」って廉価車が導入されたけど、XTはそういう廉価さは一切ない。XSiと比べちゃうと普通っぽさ満載なんだけど、安く上げようって気がない。あくまでも普通の306としてのXT。そこにあえて萌えるべきだと思うのは私だけかもしれない(笑)。

M:でも、もうXTに乗る機会ってないですよねぇ。

S:ないだろうねぇ。でもいま考えてみると、なんでプジョージャポンはXTを入れていたのか。やっぱりXSiとは違うツボがあったんだろうね。あえて臨んだというか。

M:そう言われるとますます乗ってみたくなるなぁ。

S:そういう意味ではサンクのGTL、TS、GLとか、ルテ16V、トゥインゴ2GTとかこのあたりの深淵にハマるのが、濃い仏車乗りになる第一歩かもしれん。

 

M:メガーヌ1のカブリオレ。しかもフェーズ2!

S:屋根空きはいいよね。いまとなっては布屋根のカブリオレってほとんどいなくなっちゃったからねぇ。雨の日、幌を叩く雨の音、あれ、けっこう好きなんだけどなぁ。

M:いいですよねー。

S:まぁ、うるさいって話もあるけど、そこは風情ってもんで。いまはその風情すらないくらい快適になったわけで。いい時代になったってことかなぁ。ただ、布なんで経年劣化はあるしね。まぁ、鉄屋根だって色あせるか。

 

M:トゥインゴ3です。

S:この色、落ち着いてていいなぁ。

M:ええ、ええ。コンパクトカーだけど、ちょっと高級感がある。

S:ディーラー車は欧州で言うところのフル装備。「インテンス」とかそのあたりの装備で来ているので、お買い得感満載。僕はまだ数10分しか乗ってないから大きなこと言えないけど、最初、足がどえらい硬いなぁと思った。ルノーらしくないな、と。でも車速が上がったらやっぱルノーだったね。

M:ほー。そうなんですね。

S:なので、心配はいらない。そういう二面性があるってことを理解いただけないとルノーの思惑にはついていけないかもしれないね。基本、トゥインゴってロングスパンでつくるクルマだと思っていて、コンサバティブというか他車と比べるとアクが少ない気がするんだよね。いまどきのアクを売りとするクルマと違って長く付き合っていけそうな気がする

M:価格ってどんな感じです?

S:欧州で買うより日本で勝った方が安い。なので、これで売れてくれないとルノーも日本を見限っちゃうような気がする。というか、それより前に極東の島国じゃ、安くないと売れないって見くびられている感じもするけどね(笑)。売れてしかるべきクルマですよ、トゥインゴ3は。

 

  • 番外編

 M:マセラティ222SRですね。

S:いいなぁ。4Vに乗ってたので……。もう1回乗りたいなぁ。

M:すずきさん、この時代のマセラティに激しく反応しますね。なんで売っちゃったんですか?

S:起業するときに資金難を凌ぐために……。思い出のクルマなんだよね。売るためにばあちゃんの葬式を欠席したという(笑)。

M:それはまた……。

S:でも、フェラーリコントロール以降のマセラティにはまったく興味がない。やっぱビトゥルボかなぁ。いや、キャブターボは勘弁(笑)。

 

  • 総括

このコーナーもけっこうやってるからもうマンネリなんだけど、FBM自体が偉大なるマンネリなので、それでいいのかな、と。ネタは来る人が振ってくれればいい。ドヤ顔で見せられるクルマ、乗ってくるだけ。FBMの愉しみ方は来た人が考えればいいのだ!

 

※毎度のことですが、内容はその場のノリでしゃべっていることが多々ありますので、多少は間違ったことを言ってる可能性もありますが、ご容赦ください。あとFBMにご参加した皆さんのお車、勝手に撮影しちゃってすいません。もし「載せないで!」という方がいらっしゃればご連絡ください。すぐに削除いたします。

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10 Responses to “【EVENT REPORT】French Blue Meeting 2016”

  1. 件の車両のオーナー より:

    FBMお疲れ様でした&ありがとうございました。
    おかげさまで、とても楽しい一日でした。
    珍車・名車・迷車のごった煮空間でソレを肴に皆さんと駄弁る、サイコーですw

    • すずき@PMG4 より:

      ありがとうございました。身体を張った甲斐があるってモンです。(?)

      ラーメン食う?

  2. シバッチRS より:

    当日、これの取材時に同行させていただいたので、
    「こういう風に文章化されるんだなあ。」って
    感心します。
    ご覧の皆さん、ほぼ当日の会話が盛り込まれています。

    • すずき@PMG4 より:

      えらいのは書いてる人ですよー。しゃべってる私は言いたい放題。

      ラーメン食う?

  3. ルノーはなはな より:

    シバッチRSさんと同席させて頂いた者です。
    2006年式メガーヌRSにワンオーナーで乗っています。
    いつかはお伺いさせて頂きます。
    気長にお待ち下さい。
    ラーメンご馳走様でした。

    • すずき@PMG4 より:

      ありがとうございます!お近くにお越しの際は。お寄りいただいても・・・あんまし面白くはないですけども・・・

      ラーメン食う?

    • Yacco Garaxie GTなどこちらのショップならではのお勧めチューニング
      が在るので、訪問して作業もしていただくのが良いと思いますよ。

      • すずき@PMG4 より:

        YACCO GalaxieGTですよぅ。
        ってまぁ、わざわざお越し頂くほどの店じゃないので・・・(恐縮)
        ラーメンは出ませんよ。(たう゛ん)

  4. 件の車両のオーナー より:

    誰もツッコミ入れない様なんで、私が・・・

    残ったラーメンは持って帰ってくださいw

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