チョークの使い方の考察

いろんな例があるので、ルノーキャトルに限って。でも、大抵のキャブ車は、大小ひっくるめて、4ストロークであれば、スーパーカブから大排気量高級車まで、スポーツカーは除きますが、基本的には一緒ですよ。

チョークって、あります。キャブレター(燃料気化器)を使ってるエンジンの、始動時に使うアレです。

当時は誰もが、老若男女、それを普通に使ってエンジン掛けてた(掛かった掛かってたじゃないです。)、掛けるために使っていたものです。別に使うのに特殊な技能が要るものではありません。
だから、オネーチャンにはできないとか、そういうものではないです。昔は誰でもやってたことなので、今でも誰でも出来ます。出来ないのは退化しただけ、というか、必要が無くなったから、それを知らないだけ、誰がキー捻っても掛かるように手練手管施してあるから、それしか知らないヒトは、エンジンはセルモーター廻せば掛かるもんだと勝手に錯覚してるだけです。
そう、エンジンは掛けるものであって、掛かるものではありません。

チョークって言っても、黒板に文字を書くアレではないです。それはChalkです。気化器のチョークはChokeです。
Chokeって言うからには、首を絞めるモノ。そう、キャブレターの入り口を閉塞させて、一時的に燃料を濃いめにして始動しやすくする構造、です。

なので、始動時のみ使うモノです。
始動して、エンジンが温まったあとは使うモノではありません。

希に、チョークをアイドリング回転数調整機能と勘違いされてる方、見えます。(実話)
そういう使い方してると、その時は燃料濃いめに吹いちゃいますので、カブったり、不完全燃焼状態に陥って、エンジン止めたあとに再始動が難しくなったり、長期的にそういうことを繰り返してると、触媒を破損させたりします。カエルトナルト、ショクバイ、タカーイヨー。
(もちろん、非常時にやむを得ず短期的にそういう使い方を強いられることもありますけどね。)

“カブる”とは、燃料が濃いめすぎて、不完全燃焼しちゃって、スパークプラグがガソリンで濡れちゃう、点火不良になってエンジン止まっちゃって、スパークプラグのガソリンっけが飛ぶまでエンジン掛からなくなっちゃう、逆に言えば、飛ぶまでよっぽどエンジン掛からない、その俗称です。プラグ抜いて掃除してするか、放置して乾かしてやるか、そのへんやったらかかります。なんとか無理っこやっこ強引に掛けてぶん廻して強引に強制的に乾かすという荒技もあります。それは慣れというか経験が要ります。修得してね♪

もちっとワカリヤスいように、例え話で行くとすると・・・
血圧低い私みたいナノ、寝起きはヤクタタズなので、首締めて顔真っ赤になるくらいにして強制的に血圧上げさせて強引に眼を醒まさせて、いきなし働かせようとする。それが正しいチョーク攻撃。
そのままチョーク攻撃し続けると、気絶(カブって)してしまう頻繁にやられても健康に悪い。なので、適宜早めに戻してね♪
という感じか?(強引すぎ?)

そう、この辺でご理解いただける方はご賢察いただけるかとは思いますが・・・

使っても始動時のみ、出来れば使わずに済ませたい。使ったらとっとと戻して存在を忘れたい。
それがチョークです。

完調なルノーキャトルで、夏場で、オーナーさんが慣れてくれば上手になれば、チョーク使わずエンジン掛けて、アクセルワークだけで暖機を済ませれる、しばらくぶん回し気味で乗って済ませれるようになります。カブらせるなんて恥だと思うようになります。そうなったら、ヒトも車も、ツハモノです。
そんなツハモノでも、冬場はそう簡単にエンジン掛からないので、チョーク引いてエンジン掛けて、カブらせず如何に早く戻すか、その後アクセルだけで乗ってしまえるかどうか、が、ツハモノかシロートかの境の勝負です。

そう、掛けるときだけチョーク引いて、かかったら、エンジンの調子を見ながら、できるだけ早く戻す。あとはアクセルワークで温まるまでキャブレター(エンジン)をコントロールする。

それができるようになって、やっとこさ当たり前のヨンさま乗りな訳で・・・

えーそんなむずかしいことできなーい、めんどくさーい、っておネーちゃんみたいなハナシをよく聞きます。

が、当時は老若男女誰でもそれをやってたんだから、現代のヒトができない訳がない。当時はおねーちゃんもおばちゃんもそれをやっていた。今のヒトがそれが出来ないんだったら、それは、学習しないとか修得できないとか、練習しないとか、機械に合わせるとか、そういう、そっちが出来ないという、ある意味退化な訳なので・・・

がんばってください。練習してください。で、さくっとチョークを戻せてブイーンと走れるようになって、独り悦に入ってください。頻繁に乗ってれば、その仔細な差で、最適な方法を会得できるはずです。

それが多分、正しいキャトル乗りです。カコイイ。
(もちろん、前提として、概ね完調であることが前提です。調子悪いまま騙し騙し動けばいいやでいたならば、状況が悪化したら、そら掛からなくなります。セルモーターばっか廻し続けてセルモーター焼きます。根本の原因を取り除かないと延々とセルモーター換え続けることになりますので、ご留意をば。)

ヨンさまなんか、ちっこい、バイクかよ?ってキャブレターが一個だけなので、チョーク付きキャブ車の中では、かなり簡単な方です。ウェーバーとかのでっかいキャブが2コとか沢山とかついてる高性能車、皆が憧れる?FIAT RITMO130TCとか、PEUGEOT 205RALLYEとかAlpine A110とかRENAULT 8 Gordiniとかは、正直、私はサクッとエンジン掛ける自信はありませんってくらい、ムッカスィです。ヨンさま乗りこなす自信がない方は絶対無理だから通勤どころか出勤もできないから避けた方がいい(というか、その辺の、それこそ、文化財相当、動態保存が所有者の務めみたいなクルマを日常の役務に供するってのも、どうだろう?)。
ともあれ、まぁ、ともかく、それは高性能の代償なので、高性能車乗りたい方は自ずと勉強練習修得することが多くなります。あたりまえです、そういう車なので。それを使いこなして速く走れるのがカッコイイ車なので。それがスポーツであったので。
今は、誰でもマラソン走れてそこそこのタイムが出せる身体が金で買えますね。それ以上は金じゃ買えません努力が要りますけども。

そういう、機械を使う、機械と対話するというか、そんなプリミティヴな、キャブレターという機械がコンピューターがお世話するインジェクションという電気仕掛けに切り替わって20年以上、今や、車なんか何もせずキー捻るだけけで掛かる、と盲信できちゃう時代、エンジンはスイッチ入れれば点くものと言われかねない時代になったので・・・
その盲信が当たり前だと思っている大多数の方は、見てくれの旧さにのみ誘引されて、その外観のママの昔の機械が、外観だけでなくもれなく載っている、キャトルのエンジンは掛けれません。
興味持つ憧れるだけ、遠くからか、液晶画面で生温かく見守るに留めておいた方がいい。

“苦労を買ってでもして真っ当に乗る覚悟”と、”当時それを乗っていたように乗る覚悟”と、”数十年経過した機械を宥め賺しコワケタとなったら容赦なく直し、適宜維持管理して乗り続ける覚悟”あわせて、”それを学習して研究して技術を向上させる理解力”が必要なんです。
それをなしにして、カッコだけで安いのに飛びつくと、こういう事件が勃発するわけで・・・ダカラ、ミルダケ、エキショウガメントカダケ、アコガレトモウソウダケニシトケトアレホド・・・

その代表的構造要件が、チョークなので・・・でも、使えて当たり前のモノなんです。当時から現代に至っても、何も変わらず進化もせずに。
そこを求めてるなら、全部ひっくるめて受け容れてください。

機械を自分に合わせさせるには、多大なるコストが必要です。
人間が機械に合わせるのは、学習する知恵と修得する技術で済みます。それらはロハです。昔の人がやっていたこと、それは、がんばれば誰でも出来ることの筈です。

ということで、敢えて苦言を呈してみましたですよのさ。

私からは以上です。

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2 Responses to “チョークの使い方の考察”

  1. rallye より:

    いいですね〜。確かに誰でも出来たんですよねぇ、30年ぐらい前は、日本でも。しかしそれはもうジェネレーションギャップな訳で。バイクの4連キャブなんかを、氷点下で始動してた身からすると、、、車はやっぱりインジェクションが良いです。チョーク引いて、そろそろ走り出して、頃合いを見て、戻して。。。でも、毎日やってれば慣れますね
    。それは間違いないです。でもきっとそういう車のエアコンは、効かない、あるいは付いてなので、そっちが問題ですかね。。。インジェクションにチョークレバーを付けてしまう、おバカなバイクもあることですし。余談です。500cは、困ったことにMTが来てしまいました。ccが復活しています。

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