【EVENT REPORT】French Blue Meeting 2019

2019年10月5日(土)、6日(日)の両日、長野県・車山高原にて第33回「French Blue Meeting 2019」が開催された。例年は10月中旬から下旬にかけての開催だったが、今年は初旬ということもあり、車山高原は比較的過ごしやすい気温に。朝方は霧雨のような天気だったが、しだいに太陽が顔を出し、日焼けを気にしてしまうようなまぶしい光が降り注いだ。

 

 

 

Morita(以下、M):いやぁ、晴れましたねぇ。
Suzuki(以下、S):晴れたねぇ。では、やりますか。華麗なるワンパターン……だっけ?

M:いや「大きなるマンネリ」です(笑)。

S:そういえば、土曜日なんだけど。フレンチブルーの前夜祭。

M:ええ。

S:なんか今年から「車山パリ祭」って呼ぶようになったらしく。

M:へぇ、なんか変わったんですか?

S:いや……、よくわかんない。

M:日曜日のステージでやるイベントも同じ名前ですよね。前夜祭でいい気も……。

S:あとジムカーナがなくなったとか。

M:2CVのクランク掛け競争はあるみたいですね。で、しかも今年はシトロエン100周年とかで。

S:グランドスタンドも古いシトロエン率高いよね。でも、こういうジャンルは疎いので……。

M:まぁ、いつもの偏見に満ちた視点でいきましょう。

 

S:うちらが刺さるクルマといえば、たとえば、こんなのかね。

M:トゥインゴ1のイニシャルパリですね。トゥインゴはエントリーモデルなんだけど、当時初めて乗ったときはその乗り心地やスペースユーティリティのすばらしさに感動しました。

S:トゥインゴはポップなクルマなんだけど、それにあえて革シートや革巻きステアリングなどを採用してちょっとゴージャスな雰囲気になってる。ホイールも専用デザインだね。ちなみに正規輸入されなかったモデルです。

M:こういう方向性もありですねぇ。すごくきれいだし、オーナーさんの愛情が伝わってきます。

S:いつまでも乗っていてほしいよね。

 

S:ルノーってRSのようなシリーズは除いて、基本的に見映えしないよね。

M:たしかに見た目での訴求力は低いですね。

S:PSAならトゥインゴのようなエントリーモデルももっと派手にするだろうなぁ。

M:でも、そこがルケマンなんですよね。

S:そう。でも、そろそろ「ルケマンってダレ?」みたいな世代が増えてくるだろうし、いまはヴァンデンアッカーになってちょっと派手になってきたような気がする。ルケマンの呪縛から逃れようとしているのかどうかはしらんけど。

M:たしかにだいぶ”アッカー顔”にも慣れてきました。

S:でも、かといってアッカーがいいかと言われればそうでもなく……。

 

S:このカングー、1999年12月登録で推定2000年モデルの推定フランス仕様なんだけど、某店で新車購入してワンオーナー。ちょうど息子さんが生まれた年だったんだって。

M:ええ、ええ。

S:で、2004年あたりから整備を弊店で請け負ってるんだけど、きょう1999年に生まれたそのお客さんの息子さんがこれをマイカーにして乗ってきているという。

M:ええ! そうなんですか。ほぼ2000年なら19歳の息子さんなんですね。

S:うん、だいたいそんなくらい。

M:そうかぁ。もうそういうことも不思議じゃない年代ってことですね。なんか、ちょっといい話。

 

M:プジョー505ですね。

S:こういうのもいい例だよね。やっぱピニンファリーナのデザインは、どこか色気があるし、訴求力あるじゃん。同じセダンでもルノーのR12とかえらいダサいもんね。戦慄すら覚えるほど。でも、そこがいい。

M:その頃はルノー公団だった時期ですよね。どこか共産圏の香りが漂ってましたよね、デザインに。

S:しかもダシアがそれをノックダウン生産したりしてる。とにかくあの時代のルノーのダサさ具合は異常。

M:2回言いましたね(笑)。

 

M:エクスプレスですが、褪せてますねぇ。

S:これ、昔は赤だったんだよね、きっと。それにしてもここまできれいに褪色しないよね。

M:たしかに。

S:ルノーって乗用車は赤のソリッドってあんまりないんだけど、商用車系のソリッドはクリア塗ってないのが多い。だからここまで色褪せするっていう理由になるかどうかはわからんけど。ここまでくると熟成の域に達している。

M:時間しかつくりだせない色かも。

 

M:はい。ドッケールです。

S:弊店で3台売ったうちの2台です。白と紺のアンビアンス。

M:来場者の反応、どうですか?

S:弊店が大人の大人気ない事情で、テント村でなくグラウンドで、一般ユーザーのフリしているトコにいるモノだからねぇ。看板出してるわけでもなく、値札貼ってるわけでもなく、特に見てる人に声かけるでもなく、わかんないだろうから声掛けられるわけでもなく。オーナーさんが乗ってきた現車なので。あっ、でも今回は事情により片方はオーナー不在でしたが。

 

M:シムカ1000GLSですか。

S:ラリーじゃない普通のシムカだね。

M:ホイール、クロモドラですかね。センターキャップにクライスラーのマーク入ってますけど。

S:シムカって1960年代にクライスラーに買収されてるんだよ。

M:へぇ、そうだったんですか。

S:たぶんその名残じゃないかなぁ。

 

M:アヴァンタイムです。見れば見るほどすごいクルマですね。クリオV6もよく世に出したなと思いますが、このアヴァンタイムにも同じような感情を抱きます。

S:ルケマンの最後の名作だよね。

M:まさに唯一無なクルマだと思います。

S:維持していくのは大変だけど、がんばって乗り続けてほしいなぁ。

 

M:お、これはクリオ3 RSのマット塗装ですね。あとから塗ったのかなぁ。

S:ルーテシア4 RSにも純正色でマットのパールホワイトがあるけど、これも渋いね。

M:ああ、ありましたね。マットなのにパールとはこれいかに!? と思ったけど、実際に見てみると、まさにマットパールホワイトだった!

S:マットなのに輝いているという。あれこそが「妖しい」の文字にふさわしい。

M:なかなか斬新なカラーでしたね。

 

M:僕の大好きなランチア初代イプシロンです。いやぁ、いま見ても色あせないデザイン。エンリコ・フミアはルケマンの次に好きなデザイナーです。

S:塗装、きれいだね。塗ってあるのかな。

M:そうですよね。つやつや! やっぱ初期型だよなぁ。

S:でも、前期にエレファンティーノ・ロッソってあったっけ?

M:うーん、後から追加されたスポーツグレードですよね。どうだろ、後期からだっけな?

 

M:プジョー306の……カシミールですか。

S:このかまってなさがいい。長いこと乗ってなかったのかもね。

M:カシミールって上級グレードなんですよね。

S:たぶん。でも、このクルマもさっきのエクスプレスのようになっていくのだろうか。

M:ああ、さびしい。

S:まさに時間だけが成し得る侘び寂びの世界……。

 

M:縦サンクとシエテです。ああ、後ろから撮れば良かった。前からだとほぼ一緒だ(笑)。

S:シエテは去年もこのコーナーで紹介したね。

M:ええ、今年も会えました。

S:それにしても2台ともきれい。いつまでも維持していってください。

 

M:ルーテシア2のフェーズ2ですけど、こんなグリルでしたっけ?

S:ああ、1.4のATね。これ、フェーズ2の最後期にこういうグリルになったんだよ。

M:へー、知りませんでした。

S:究極のベーシック。究極のコンパクトハッチだと思う。

M:ルケマンの呪縛からはまだ逃れられませんね(笑)。

 

 

  • 番外編

M:いちおうフランス車の祭典なので、イタリア車は番外編に。しかし、これがけっこう萌える!

S:えらい濃いのが来たね。

M:75ですけど、こんなきれいなの、僕初めて見ましたよ。

S:ほんとだね。

M:これもなかなか維持していくのが大変だと思います。

 

S:この並びもえぐいね。

M:164と166ですね。

S:164は苦労した記憶しかないけど、それでもイヤにならなかったなぁ。

M:クルマへの愛情と敬意があった?

S:そうかも。たしか166って日本には前期しか輸入されてないんだよね。

M:ですね。後期はだいぶ普通になっちゃったんで、僕はやっぱ前期がいいなぁ。ちなみに164もピニンファリーナ在籍中のエンリコ・フミアです。166はデ・シルヴァ。

 

M:ユニルオパールさんの「ビストロ・ユニルオパール」もお客さん行列してましたね。

S:すごい人気だね。行きそびれたよ。お客さん用のインスタントラーメン茹でるのにいっぱいっぱいで。

M:ラーメン屋さんやってましたもんね。1年越しの構想が実現したそうですよ。僕も「パテ・ドゥ・カンパーニュ(1000円)」をいただきましたが、日本人好みのマイルドな味付けでおいしかったです。

 

  • 総評

いつもは朝早くグランドに入って設営してるんだけど、今回は9時過ぎくらいに入ったんだよね。なので、上から下ってくるときの雰囲気というか、光景がすごくよかった。参加者のクルマがいっぱい並んでいて、フランス車の行列ができて、この感じを味わえるなら当日参加もいいなと。あ、あとさっきのドッケールの話、ちょっとしていい?

ドッケールは、FTPのときの方が反応よかった気がするなぁ。なんでだろうなんでだろう、ななななんでだろぉ、を考察すると……。もうすでに、仏車もブランド化しちゃってるんじゃないかなぁ? 菱だから猫だからへへだから買ってる的な。そこにダシアっていっても、誰もルノーグループだって知らない。弊店ごときが謳っても誰も聞いちゃいない。だから、今乗ってる人もそうだし、これから納める人も、自分で勉強したか、この手の車何台も乗りついで、酸いも甘いも嗅ぎ分けた人が、考えた結果これいいジャン、メインにもなり得るって。妖しいクルマ持ってるけど、信頼性に足る足車もいる。けどもフツーのに大枚払う気はない、的な方向け、だからねぇ。

それ以外の人からすると”わざわざ輸入した”その理由 がすでに理解の範疇外なんじゃないかなぁ? だから反応もその程度。珍しいから写真撮っておこ、そこで終了してる感。

僕らは単純に、Kangoo2より幅狭い。ちっと長い。 その分が荷台。ホイールベースは大差ないから取り回しには影響しない。中身Kangoo1じゃねぇの? な出涸らしの技術+日産エンジンで壊れなさそう。しかも車両価格が安価い。ダシアだからこれでいいじゃん、いや敢えてでもこれがいいじゃん、今時新車200万チョイで何が買えますか? これは買えますよ? ってシンプルな動機なんだけども……。

だから”わざわざ輸入した”ってか、そもそも並行で 持ってくるって時点で、すべて”わざわざ輸入した”わけだし。ありもん買ってる訳じゃないからねぇ……。ともあれ、わかろうとしないと、何も愉しくならない訳であり……。

だから、FTPの方が来てる人が濃いんじゃないかな? いや人数比もあるしねぇ……一概には言えないかもしれないけど。どぉなんだろう?FBMの方が遙かにフツーなヒトが多いんじゃないかなぁ? そりゃそうだ、昔のFBMは昔の仏車乗りであり、わざわざそれ買った、ヲカスィ人しかいなかった。けども、こいだけ増えると大多数は普通の人だ。そりゃ希薄にもなるわなぁ・・・(とーいめ)

 

 

※内容はその場のノリでしゃべっていることが多々ありますので、多少は間違ったことを言ってる可能性もありますが、ご容赦ください。あとFBMにご参加した皆さんのお車、勝手に撮影しちゃってすいません。もし「載せないで!」という方がいらっしゃればご連絡ください。すぐに削除いたします。

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