pompe d’alimentation | VDO / Magneti Marelli

いわゆる、燃料ポンプ。

最近のインジェクション車(というか、90年代以降、殆どインジェクション車しか居ないんですけども。)の燃料ポンプは、燃料タンク内、ガソリンに浸かってるのが多いかな?
で、燃料のレベルゲージ等と一体になって鎮座してて、粛々と黙々と(ジーとか言いますけど。)ガソリンをエンジンに送ってます。

インジェクション車の燃料の圧力(燃圧とか吐出圧とか吐出量ともいいますが。)は、割と意外と高圧です。なので、要注意。
(インジェクション以前のキャブレター車のバヤイはさほど高圧でわないです。)

こいつが、時折逝かれる。

燃料を汲まなくなる。タチわるいのが、機嫌悪いときだけ汲まないっての。
エンジン掛からない、一向にナニしてもかからない。なにせ汲んでない燃料行ってないから。セルモーターをいくら廻しても掛かるわけがない。で、なんかのハズミとか、それこそ性根たたき直してなるつもりで体罰を加える(叩く)と、機嫌が直ってか性根が叩き直ってか、本来の仕事を思い出してか働き始める。そうするとエンジン掛かる。フツーに乗れる。
が、また、ほどなく、機嫌を損ねる。それがフューエルポンプ。
(↑こうなったら問答無用で換えましょうね。頑張って保たせてもまたどっかでエンコするだけだから。)

多分、モーター回転軸とかインペラーとかなんかその辺りが、部分的にスティック(固着)し気味とか、潤滑不足によって固着するとか、部分的に廻らないツボができる、ってコトじゃないかと思うんですけどね。モーター類ありがちな・・・モーター使ってるので。それがフューエルポンプ。

(経験則、最近のクルマって、ガス欠させてポンプを空汲みさせると、一気に寿命が縮む気がする。というより、ガス欠して程なく燃料ポンプが上記症状を現す、みたいな・・・多分ポンプ自体がガソリンで潤滑してるんでしょうねぇ・・・なので、適切な燃料を適宜補充しましょう。)

で、この手の症例の場合は、症状が起きたら掛からない、エンジン止まる。起きてないときは至極普通という、面妖な、それこそ、ロ・ロ・ロ・ロシアンルーレット状態に陥る。
車を預かってるときに発症してくれれば、追究はできるが、発症してないときはソレこそドコ疑って掛かってイイカすらワカラナイ無限ループに陥ることすらアル。ハータチワルイ。

もっとタチの悪いのは、タンクにブクチンぶっこいてる(沈んでるの意)ユニット内で燃料漏れしてるヤツ。燃料タンクが満タンで全部沈んでるときはまだ調子イイ(ヨカナイケド)が、燃料減ってくるに従って、ユニットが燃料面から露出してくるに従って、吐出圧不足に陥って、調子を崩す、で、エンジンかからなくなる。給油するととりま掛かったりする。悩むが、それがフューエルポンプが原因なことがある。
(これは旧い車で、燃料満タンにすることが希な車で起こるような気がする。タンク内でホースを使ってる、そのユニット内部のホースが、ガソリンで湿潤してる前提の作りなので、そこがカサカサになるとクラック(ひび割れ)が入って圧が漏れる。みたいな・・・)

まっとまっとタチ悪いのは、ポンプユニット上面のパイプ、樹脂ケースの継ぎ手の辺りにクラック(割れ目)が入って、ぢくぢく漏れる。フィアットプントやランチアYで散見しますね。で、タンク外に漏れてくる。それがフューエルポンプ。
(これは物理的な理由ですね。樹脂は永遠に使えるモノじゃないというのを身を以て表してくれている、消耗とはかくなるものなり、と・・・足掻いて接着剤で固めてみようとするのはご自由に。燃料の圧力とガソリンの攻撃性に耐えてくっついてる接着剤があるなら、やってみたらいいと思う。弊店は、また漏れて、燃えた爆発したっても、責任は負えないので、問答無用でポンプごとゴッソリ換えますよ。)

なにせガソリン、引火の危険性があるので看過できない。小手技でゴマカシてまた漏れて燃えて爆ぜてもヤなので・・・というか危険なので・・・というかエンジン掛からないとか調子悪いのもイヤなので・・・

結果、どれも、症状と原因を確定できたら、容赦なく交換です。またエンジン掛からなくなるのは困る。
(困らない人は小手技で済ませたいヒトは、おこのみです。困らないんだったら私共には用事ナイですね、承れること皆無ですね、そうですね。燃えて爆ぜてもシランですけど。人に迷惑かけないようにご自由に何卒。)

IMG_0363
とかいいながら、いきなし出てくるのはインライン(タンクにブクチンこかない、配管の途中に居る手の燃料ポンプ。ルノーシュペールサンク用。隣にいるのは欧州仕様のナンバー灯。
キャブからインジェクションに進化の過程とか、モノポイントインジェクション(初期インジェクション。殆どキャブと変わらん。)の頃に散見したポンプですね。



一枚目、トゥインゴ1OHCの燃料ポンプ。
二枚目、トゥインゴ1SOHCの燃料ポンプ、マニエッティマレッリ製。

IMG_0447IMG_1252
ルノーカングー1用燃料ポンプ。この手のレベルゲージと一体のものは、タンクユニットと呼ばれることもある。純正よりチコっと安価な社外品。似たような写真ばっかしだなぁ・・・

IMG_0796
ルノールーテシア2の1.6 16V用燃料ポンプ。Kangooと一緒なのかな?そこまでは必要がないので調べてませんよ。いらんこと訊かないでね。


一枚目、ルーテシアルノースポール2.0 16VPh1用燃料ポンプ、マニエッティマレッリ製。Ph.2とは違うのだよ・・・二枚目がPh.2用なのだよ。


ルノーメガーヌ2RS 2.0T用燃料ポンプ。純正より安価でよかったね。

IMG_0186IMG_0795
壱枚目、VDO社製、プジョー106S16用タンクユニット。なかに燃料ポンプが含まれております。純正よりチトお安いのですよ。
二枚目が、その他のメーカーの、106S16用タンクユニット。結構安価。

IMG_0631
Magneti Marelli社製、シトロエンクサラピカソ用タンクユニット。やっぱし純正よりチト安価。

IMG_0074
Lancia Y/FIAT Punto用(どこまで共通かは調べてませんが、結構数種類あるんです。)。(写真あんまよくないですねぇ。)
社外品です。純正よりカナーリ安いです。

IMG_0242
FIAT Panda1用燃料ポンプ。社外品。この場合は、レベルゲージは別体で居るので、燃料ポンプには含まれない。純正より安いってか、パンダ1ももう新車の生産が終わって幾星霜、純正そろそろ供給終了じゃないのかな?な逸品。逝かれたらあるうちに換えておけば当分保つよ。なくなってから狼狽えても救ってあげようがないから。
そう、本気で好きならば是非Don’t hesitate!本気じゃないなら本気の人にその車酷いことになっちゃう前に譲ってください。本気の人なら治して乗ります。種の保存のために。

さてさて・・・タンクユニット。

白い筒の中に燃料ポンプと、場合によっては燃料レベル(量)センサーが入っている。レベルセンサーは、生えてる棒の先に着いてる浮きで燃料のレベルを測ってる。(液面の上下にリニアに反応しないよう、ダンパーが入ってたりする)それを燃料タンクの中に沈めて使う。上側クリーム色の部分が、燃料タンクの上にコンニチハしてて、そっからパイプが生え配線が繋がりしている。

どっちにしても、換える際は、タンクユニットを止めてるリングと、そこのOリング/パッキンも同時交換です。(漏れちゃヤだもんね。)

換える工程は、車内リアシート下とかトランク床からアクセスできる場合は、ある意味、楽と言えば楽。ですが、ご存じの通りガソリンは可燃性かつ、結構カナーリ臭う。なので、窓全開換気に気をつけながら、当然火気厳禁で、気分悪くなりながらガソリンを車内にこぼさないよう気を使って、養生その他準備してからの作業になります。
言う分には簡単だが、全然簡単じゃない。

IMG_1913
あ、そこのパッキンとか、タンクユニットを固定してる”リング”も換えますので。パッキンから漏れたら二度手間だし、だいたいガソリンだから漏れたら燃えてオッカナイし、脱着時にリングが割れたり破損する場合がある。ましてや極東の島国に於かれましては、タンクより上のフィラーパイプまでガソリンで満たす習慣がある。そこより下にいるポンプ(タンクユニット)のパッキンはちゃんとしてないと漏れるのは明白。なので、換えるモノだと思っておいてください。

IMG_1915
車内からのアクセスが、サービスホール等があれば、そこからアクセス可能ではある。が、画像みたく、丁度な穴しか開いてないと、悩んだりする。が、あるだけまだいい。床に穴あいてないクルマもあるので。穴がなかったり穴小さすぎだったり穴が見当違いのトコにあいてたり(実在しますよムカツクけど。)で無理な車の場合、燃料タンクを車から降ろしての作業になります。これはこれでタイヘン。

で、タンクユニット換えて、密閉して完成したら、車内換気しながら、燃料満タンに入れて、漏れないかどうかチェックして終了、な感じです。

そう、燃料、ガソリンって、すっげ燃えるんです。臭うんです。なので、危険です。
ガソリン臭いとか、大抵漏れてます。漏れてるとか、看過すると、火花等で容易に着火します。着火したら、場合によっては大爆発炎上大惨事になり得ます。
大抵の車両火災はコレが原因、すなわち、保守維持管理の不備です。

ニヲったら適宜対策を講じるべきです。それが保守管理の責、です。

旧いクルマに罪はありません。
壊れてアタリマエです。10年20年それ以上壊れない機械は存在しません。
あるとしたら、機械じゃない、文鎮です。機能を永久動作保証できます文鎮なら(外観は知らんけど)。

ソコを敢えて、好きだからそれを乗ろうという好事家が、適宜保守維持管理できてれば、それは趣味であり道楽だから、誰も止めはしない。それをシレーと為し得たら、為し得る為し得てるから、好事家はカッコイイ。だからそれを目指す。その結果だけ安価にお手軽に手入れれようなんて甘い考えで居るとエライ目に遭う。
維持保守管理スル気がなくても、困るのが自分だけ死ぬのも自分だけなら別に誰も止めはしません。が、爆発炎上ナンカされたら、消防署その他近隣の皆様に多大なる迷惑をかけます。そういうのは、恥と思って、覚悟して臨んで頂かないと、旧いクルマ乗ってること自体が罪悪みたいな、坊主憎ければ袈裟まで憎いって判断されかねないのが、極東の島国の矮小な人種の考えることなのでね。しかも多発した日には、使用期限切られちまうよ?

だから、矜恃を持って維持保守管理してくださいね♪

という感じで、私共は矜恃を持って、ごそごそっとシゴトしてるんですよ。

Share

Leave a Reply