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いわゆる、マスターシリンダーとホイールシリンダー、ブレーキシュー。定期交換部品(だと思ってます)。

クルマのどこそこの部品を換えなきゃイカン、という段に、まぁ通常は純正部品を探すのですが、たまにあります、社外部品。

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ってな感じの流通形態で廻ってきてるんだと、思う。(推測)

だから、デ*ソーが作ってる部品が外Eから来るか、デン*ーから直で来るかみたいな差、かと。

で、Magneti Marelli、マニエッティ・マレッリと読むのだと思いますが、イタリアの部品メーカーですが、ここの社外部品を、よく使います。(他にも、仏車だとValeoとか、国変われば品も変わる、他にも色々ありますよ。)

灯火類(ヘッドライトテールランプ等々)から、ブレーキ関係(パッドローター・ホイールシリンダー・ブレーキシュー等々)、電装関係(エアコンの様々な部品、パワーウィンドゥレギュレーター等々)色々あります。
もちろん、ないものもあります。

じゃあそういった社外部品、品質的に劣るかってと、まぁ作ってるトコは多分同じだし、中@製って訳じゃない、特に今まで困ったことはあんましないですね。
かえって、純正品より合理的だ!と思うコトすら、ある。
(たまーに、純正品でもありそうな瑕疵とか、なんだかなーってのはありますけどね。それはイタリアンジョブなので。(諦))

ほんと気分的には、純正の箱に入ってるかMagneti MarelliとかValeoの箱に入ってるかの違いだと思って貰っていいかも?です。

で、純正より若干安い場合もあります故、特に純正にせよという指示でもない限り、努めて社外部品を活用してます。

で、純正品と社外品の在庫と納期と価格を、いろんなヒト動かさせて調べて、社外の方が安いと、で社外品手配して、早急に着かせると。

はぁ、めんどい、って言っちゃいけない。それが仕事ですので。

で、今回のお題は、ブレーキのマスターシリンダーとホイールシリンダー。

ブレーキペダルを踏む動作で、マスターシリンダーがブレーキオイルに加圧します。で、パイプやらホースを介してその圧が各輪に送られて、ドラムブレーキの場合は、ホイールシリンダーがその圧で動いて、ブレーキシューを動かして、ドラムに押しつけて、ブレーキが掛かります。
(ディスクブレーキの場合は、また機会があったらどこかで、ですが、基本、シリンダーがパッドをディスクに押しつけて、ブレーキが掛かります。)

ブレーキシューを広げてブレーキ掛けるシリンダーな訳ですが、なにせピストンのトラベル幅が狭く、ちょこっとしか動かないので、よく固着したり、漏れたりします。

なんとなく経験則、あんま乗らない乗ってない車は大抵固着してたり漏れてたりします。ブレーキオイル管理を怠ってるクルマも、固着したり漏れたりする。たぶん、ブレーキオイルが吸湿して錆を誘発するんだろうなぁ・・・
よく乗ってる車、派手にブレーキ掛ける車は、よく動いてるので結構大丈夫だったりします。
動かにゃ動かないで傷む典型ですね。脚とかもそうよ。

まぁでも、ホイールシリンダー、耐用年数は3~4年。でも最近品質が上がってきたのか、それ以上経っててもまだ使えそうな場合もあります。

ご賢察は容易だと思いますが、制動するモノ、なので、重要保安部品です。手抜きは許されないと思います。

大抵、車検で承った際に、ドラムブレーキ開けて点検するので、その際に発覚することが多いかと。まぁ、見た具合です。必要であれば換えるべき部品。

なので、見てないで予算組めといわれたら、換える前提での話しをした方が確実ですね。それが見積もりという奴で。
しかも、いち早く完了させよだったら、もう換える前提で臨んだ方がいいですね。先に手配しておいて。それが予定組むという奴で。

だって、換えないつもりで換えにゃアカン、じゃあ予定してなかったからよしますとかってものじゃない。それで当初の予算から変わるくらいなら、見積もりとは言えない。日程が狂うくらいなら、そんな日程は予定とは言わない。
見て確認してそこからの手配では時間と手間が掛かってしまいますのでね。予算も日程もそれ次第になっちゃいます。

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画像のホイールシリンダー(って箱ですが)、純正品より10%くらい安いので・・・
って数千円の10%だからたかが知れてるけど、これが数万円の部品だと結構、違うんです。逆に高い部品だと20~30%くらい値段が違う場合もある。下の箱はセルモーターですが、こっちは結構違う、場合によってはすっげ違う場合もあるので。
(うん、そういえば、安いのとか消耗品とかはあんま差がないかもなぁ・・・)


ホイルシリンダーってこういった部品。ドラムブレーキのドラムの中で、シューを広げるシリンダー。トラベル量が少ないのと、湿気が籠もりやすいのとで、なのか、旧くなってくると漏れたり固着したりします。

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一枚目、FIAT Panda1用のホイールシリンダー。Magneti Marelli製。純正よりチト安いか?ってってっても片側3千円に満たないんですけども。
二枚目、おなじくパンダ1のホイールシリンダーと、ブレーキシュー。もう過去換えたことがなければ換えといた方がイイ逸品。ドラム内でシュー剥がれとか起こすとエライ目に遭うのでね。下はカムカバーパッキンですよ。

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ランチア イプシロン用、リアブレーキホイールシリンダーとブレーキシュー。10万キロ目前なので、念のために交換。そこケチって、喰らったこと考えると、開けたタイミングで換えておくのが合理性。ケチって換えずに済ませて後に喰らうのは貧乏症。

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ルノー トゥインゴ1用、ホイールシリンダーとブレーキシュー。純正よりいくばくか安価。でも何故か後述のClio2/Lutecia2よりチト高価。フシギダネー。

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ルノー ルーテシア2用ホイールシリンダー、マニエッティマレッリ製。純正よりチト安価。微妙に種類があったりして机上の論理だけじゃドレが使えるかナヤム逸品。2枚目はValeo製スパークプラグと一緒に。三枚目五枚目はブレーキシューと一緒に。ブレーキシューは、大して減らないからってノホホンと使い続けてると、摩材が剥落してブレーキがロック(固着)する場合がアルので、旧くなったら換えてもいいかと思いますよ。
四枚目はシリンダーのみ。

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ルノー カングー1用マニエッティマレッリ製。ホイールシリンダーとブレーキシュー。四枚目のシューはValeo製。コレもビミョーに種類あったりする。でも純正よりチマっと安いのでよく使う逸品。ってか距離乗ってたら換えた方がいいですよ一気に全部♪

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一枚目、ルノーキャトルのホイールシリンダーとブレーキシュー。あ、右のはSNR製リアハブベアリング、同じくキャトル用。
二枚目も、ルノーキャトル用のホイールシリンダー、マニエッティマレッリ製。キャトルは生産期間が長かったからか、種類がいくつもあって毎回毎回紛糾する。悩む。コレは如何ともし難い。お値打ちだ。このとき、ホントはブレーキシューも換えたいのだが、欠品してたし急を要さないので見送り。だが、急を要したときに手に入るかどうかは、神のみぞ知る。
三枚目、同じくキャトル用ホイールシリンダーと、となりは21ターボ用サーモスタット。

そぅ、換えたくない人が買える安価な車に成り下がっちゃうと、売れない部品は生産されなくなるので・・・

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プジョー106の1.3ラリー用。Magneti Marelli製。やっぱし純正よりチト安い。でもPandaよりは高価い。フシギダネー。

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シトロエン2CV用リアブレーキホイールシリンダー。ゴム部が緑なのは、ブレーキラインにLHMを使ってる証し。絶対ブレーキフルード入れちゃダメ。
なのだが、なにをトチ狂ってか、緑色のリザーバータンクにブレーキフルード入れるヒトが希にいる。エライコトになりますので、その尻拭いはご自身でやってね。頼んだ先がやったならそこにやってもらってね。安価かったからであればその分払ってあげてね。その覚悟で頼んだ請け負ったやっちまったのだろうから。お願いだから、その復旧だけを弊店とかに持ってこないでね。そうしちゃうと、やっちまったヒトが自分の失敗を覚えない後悔しないから。

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CITROEN C2/C3用、ブレーキシュー。これはValeo製ですが、BOSCH互換。ヤヤコシ。

ブレーキシュー、そうそう頻繁に換えるわけでもない、10年10万キロくらい保つんじゃないか?という逸品。ではあるが、後述でブレーキフルードに浸されたり、余りに旧いぞとなったら、換えておいた方がイイ逸品。永遠に使えるモノではない。

ブレーキ関係は、消耗品と割り切って、定期的に換えた方が確実な部品です。

意外と換えるのにシノゴノ言うヒトが居ますが・・・問答無用で換えたい部品です。

ホイールシリンダーごと換えるか、中のゴムのパッキンのみ(カップキットといいます)を換えて、シリンダーは内面を研磨して再利用するか・・・

カップキットが3千円ちょい。
シリンダーASSY(シリンダーまるっとそのまま)だと5千円ちょい。

片側ね。

カップキット買って既存のバラして研磨してカップキット換えてると、その手間もコストと考えると、余裕でASSYで買えます。つーか、カップキット換えてる方が高くつく。
つーか、そもそも、錆びて固着したホイールシリンダー、内面研磨して、錆が綺麗に取り除けれればいいけど、鬆穴ってかそういうのあって、組んだらやっぱし漏れたとかってったら、目も当てられない二度手間だ。
まぁ大抵数年来放置されていたコトが多いので、そうなることは念頭に置いておいた方がいいでしょう。

悩むまでもないがそこを考察するのも仕事。

今時だねぇ。まぁ、消耗品だしブレーキだし、さくっと換えましょうか。

換えないと・・・


こんなんなっちゃう。外の汚れ錆なぞはドーデモイイのですが、中のピストンが錆びて固着してます。リアブレーキは効いていない状態。
なぜそんなトコが錆びるの?ってのは、諸説飛び交いますが、基本湿気が籠もるのに、殆ど乗らずにいたリアブレーキを使うような乗り方(高速走行急ブレーキ等々)してなかった、と、ブレーキフルードが経年劣化で吸湿してる可能性があるにも関わらず、お金がないだかなんだかしらんが換えるのを拒んだ人が過去居たとか、まぁその辺りであろう。

問答無用で、換える。


あ、ハブベアリングも換えてます。もしかしたら漏れたブレーキオイルでとどめを刺したのかなぁ?コレはフィアットチンクェチェントだったはず。

で、ブレーキオイルもホイールシリンダーも換えるのをイヤがって放置して、そのまま乗っててか乗らないでか乗らないでいてくれればまだイイが、結果ブレーキフルードが漏れる。漏れるブレーキフルードは意外と攻撃性が高い。塗膜とか金属とか結構侵す。ので・・・

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こうなる。シューにブレーキフルードがついて、錆を誘発する。こうなると、シュー剥がれが起きても不思議ではない。
で、それが・・・


これだ。プジョー106ラリーだったと思う。

説明しよう。(タイムボカン風に)
ホイールシリンダーを換えず乗ってたらヂクヂク漏れて結局ブレーキが抜けて、あけてみたらシューの接着面をブレーキオイルが侵しててブレーキシューが剥がれていた。の図。剥がれたシューはドラムとの間に挟まって、リアブレーキをロックさせます。
そう、ブレーキオイルは攻撃性高いので、塗膜も侵す接着剤やらゴムも侵すので、シュー剥がれてもおかしくはないです。

シューが剥がれるのが早ければ、どっかでリアブレーキがロックするかも・・・
ホイールシリンダーが抜けたら、ブレーキすっぽ抜けて効かない。止まれないかも・・・
(サイドブレーキがあるって?サイドも同じシューで止めてますよ??つーか、そんな咄嗟の時にサイド引ける技術がありますか?ラリードライバーじゃあるまいし・・・)

そうなってエライコトになる前に、定期的にってか疑わしきは罰して換えておきましょう。それが維持管理、メンテナンスです。壊れたトコ換えるだけなら、誰もが困ったトコだけやれば済む。それはメンテナンスとは言いませんので。

で、マスターシリンダー。


ブレーキのリザーバータンクの下、ブレーキパイプが刺さってるトコに、マスターシリンダーは居ます。画像はわかりにくいのですが・・・

コレは、マスターシリンダーからリアへ行くブレーキパイプが途中で”腐って”漏れて、しょうがないから、銅管で作った時に撮った画像ですが、銅管が刺さってるトコがマスターシリンダーです。ゴサンコウニ。

ブレーキペダル踏むと、マスターシリンダーの”軸”を押して、その軸にピストンがついてて、ブレーキフルードに圧を掛けて、その圧がパイプやホースを介して、各ブレーキに伝達していきます。


ヒジョーにワカリニクーイ画像ですが、真ん中の軸を、ブレーキペダルが押してる。黄色い輪っかが、マスターシリンダー本体。真ん中を押して油圧を発生させる訳ですが・・・
そこから漏れてきてます。軸の変色もそれだと思われ。そこから下のナット部に漏れたブレーキオイルが滴って、その下あたりの塗装を侵してます。(ブレーキオイルは攻撃性が高いので、塗膜を侵します。)

で、漏れてたら、しのごの言わず交換します。

漏れてなくても、じわっと踏んだら踏み抜けてしまうとか、初回踏み抜けて何度か踏んでるうちに効き出すとか、そもそも効かないとか、いやそれはマスターシリンダーぬけてますので、止まれません。

おっかないので、しのごの言わず交換します。


Magneti Marelli社製マスターシリンダー。
1枚目がルノーキャトル用そのもののみ。
2枚目、他のキャトル用、ドライブシャフトインナーブーツと一緒に。
3枚目、交換して1年後くらいのルノーキャトルのマスターシリンダー。切削面が錆びてくるのはお約束。気にしちゃいけない、というか、錆びても困らないトコなので。

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マニエッティ・マレッリ製、ブレーキマスターシリンダー、シトロエン2CV用。

2CV、キャトル共に、純正品が国内欠品してるのに、こっちはあったりします。助かる。

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下に写ってるのが、フィアットパンダ1用マスターシリンダー。ソーか既にパンダ1もそんなお年頃ね・・・

さてさて、こういった、マスターシリンダーやホイールシリンダーが漏れてる、止まれなくなる可能性を秘めたクルマがアナタの後ろを猛スピードで走ってるとしたら、どうする?ま、突っ込まれますわ。

こんなクルマがアナタの前を走ってたら、どうなる?突然リアブレーキがロックしてスピンするかなぁ?
(まぁ、そんな悲惨な状況そうそうないと思いますが、あり得ないとは言わない。そうなっても、整備屋を問責したって、そこに依頼したのはオーナーですからね。責を逃れられるものじゃないです。自分で覚悟の上でやってるなら、これは事故でなく保守管理を怠ったオーナーの責だと思いますよ。極刑やむなしだと思う。)

と、考えると、微細に漏れてても早急にさくさく四の五の言わずに換えるべき部品、です。
(換えるのがイヤなら、弊店にクルマを持ってこなくていいです。お願いですから、私の前と後ろは走らないでください。)

当然、車検時には点検が必須で、問題があれば車検は受からないはずのもの、です。そういったトコがちゃんとしてて、車検に合格することによって、クルマは公道走行を許されるんです。
傷んでも換えたくないなら、公道で乗らないでください。危険ですので。私有地内でご自由にどうぞ。(ドウナッテモシラン)

という感じで、見えないトコで気づかれなくてもクオリティを損なわず安く上げようという努力は、してるのですよ。シラナカッタデショ?

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