「ねぇ、Aくんってクルマ持ってるの?」
「うん。持ってるよ」
「どんなクルマ?」
「フィアットのチンクエチェント」
「えー! あのかわいいヤツ?」
「う、うん。かわいいね、たしかに」
「じゃ、今度ドライブ行こうよ、ドライブ」
いろんな例があるので、ルノーキャトルに限って。でも、大抵のキャブ車は、大小ひっくるめて、4ストロークであれば、スーパーカブから大排気量高級車まで、スポーツカーは除きますが、基本的には一緒ですよ。
モノ(人)を好きになる方法は、主に2つある。ひとつは“見てくれ”から好きになる方法。説明はいらない。そのモノの容姿を見て、自分の好みに合うから好きになる。至極まっとうだ。しかし、見てくれがいいからといって、そのモノの機能(素質)もいいとは限らない。おまけに見てくれは、他人(世間)からの評価も多大に影響してくる。運よく良かった場合はいいが、機能が自分の求めるものと違った場合は、きっと2、3日の付き合いで終わるだろう。ふたつめは、機能を好きになり、見た目もだんだん好きになっていく方法。あるモノを使っていて、その機能の良さに惚れこんだとする。するとなんとも思っていなかった容姿も、かっこよく、かわいく思えてくる。クルマで言えば、エンジン、足回り、ミッションなど見てくれ以外すべてのものと言ってもいい。そしてこれらは乗った人の主観で判断されるものである。世間の評価とかトレンドとかに左右されず、本当に「自分」が好きになったモノは早々裏切りらない。その機能に満足している限り、見た目もかっこよく映りつづける。その人にとっては。
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